Reconsideration of the History
1.東京裁判は法律上成立しない (1997.2.21)

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東京裁判 京裁判(極東軍事法廷)によって東条首相を始めとするA級戦犯が裁かれたことは皆さんもご存じだと思います。しかし、この裁判がそもそも法律上成立しないものだと言ったら、皆さんはどう思われるでしょうか? 第二次大戦終結後、東京裁判・ニュルンベルク裁判・スターリンの粛正裁判と言う連合国(戦勝国)が枢軸国(敗戦国)を裁く裁判が行われました。そこで、連合国側が敗戦国に対して問うた罪状は主として以下の通りです。

  1. 平和に対する罪
  2. 人道に対する罪

かし、「平和に対する罪」については、昭和58(1983)年に開催された国際シンポジウム「東京裁判」の際、参加した法学者・歴史家により、第二次大戦前の国際法上、認知されてはいなかったと言う見解が出されています。又、「人道に対する罪」についても、そもそも「戦争」という武力による国益の衝突において、戦死者や被害が出ない方が「異常」であり、多かれ少なかれ人的・物質的被害が生じます。更に、ベトナム戦争において復員米兵に精神異常者が多発した事一つ取ってみても、兵士に極限状態の緊張を強いる場面が多々あり、それによって平時には思いもしなかった行動に人間を駆り立てる事も大いに考えられます。又、この裁判が法律上成立し得ない最大の要因は、それが法律用語で言うところの「事後法」だからです。

後法と言うものが一体どんなものかと言いますと、例えば、あなたが政府の批判をしたとします。それを耳にした政府が「政府批判禁止法」と言う政府批判を一切禁じた法律を施行したとします。法律施行後、法律施行以前に政府批判をしたあなたを「政府批判禁止法」違反で逮捕したとします。これが「事後法」です。平たく言えば、事実が先にあって、それを裁くための法律が後に成立した状態を言い、通常、「罪刑法定主義」と「刑罰不遡及」によって、事後法で法律制定以前の罪状は罪には問えません。この事後法で罪を問うたのが東京裁判な訳です。つまりは、東京裁判は法律上、不当であり、そもそも裁判として成立し得ない訳です。


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