Reconsideration of the History
217.鳩山総理に対するチベット問題に関する公開質問状 (2009.12.19)

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は去る平成21年12月4日、鳩山総理に対し、12月14日の回答期限を設けた以下の公開質問状を送付したので、読者諸氏にご披露する。

内閣総理大臣 鳩山由紀夫 閣下

公開質問状

冠省

 去る平成21年9月21日、総理大臣閣下は、胡錦濤(フー=チンタオ)中華人民共和国主席との会談に於いて、チベット問題に付いて、「中国の内政問題と理解している」と発言されましたが、チベットの独立回復を願う日本人の一人として、ここに公開質問状を送付致します。

 抑(そもそ)も、チベットは1912年、辛亥革命により清国が滅んだ際、満洲族の清朝から漢民族が中華民国として独立を回復したのと同様、モンゴル、東トルキスタンと共に独立し、ダライ-ラマ13世法王を政教一致の最高指導者に戴(いただ)くチベット国として独立を果たしました。

 チベット国がれっきとした主権独立国家であった証拠に枚挙に暇(いとま)はありません。例えば、大東亜戦争中の1942年、米国はチベット国に対して連合国の一員として対日参戦するよう要請しましたし、1914年から1959年までの間、チベット国の外交使節団が自国発給の旅券を使用し、米英その他多くの諸国を訪問していましたし、1950年に中国人民解放軍がチベットに軍事侵攻した際には、エル-サルバドル共和国が連合国(国連)の場でこの問題を討議するよう提起すらしています。つまり、チベットは中華人民共和国による軍事侵攻及び占領、更には西蔵自治区が設置される以前は、れっきとした主権独立国家であった訳です。にも関わらず、現在、チベットはチベット民族による自治が行われず、正統な最高指導者ダライ-ラマ14世法王猊下(げいか)は国家の分裂を企てた反逆者とされ、政治・宗教・文化のありとあらゆる面で、中華人民共和国の圧政の下に置かれています。

 そこで質問ですが、総理大臣閣下は民主党幹事長時代の2007年に、ダライ-ラマ14世法王猊下と会談する等、チベットの人権問題に関心を寄せられていたようですが、抑も総理大臣閣下はチベットの歩んできた歴史をご存じなかったのでしょうか? 又、チベットが第二次世界大戦後に中華人民共和国に侵略された概略を記しましたが、それでも、総理大臣閣下はチベットを中華人民共和国の内政問題として扱うのでしょうか? 総理大臣閣下は「友愛」外交や「東アジア共同体」構想を掲げておられますが、そこにチベットは含まれないとお考えなのでしょうか? 私は歴史的経緯からチベットは独立を回復し、ダライ-ラマ14世法王猊下を中心とするチベット民族の政府によって統治されるべきものと考えますが、総理大臣閣下は如何お考えなのでしょうか?

 以上、職務ご多忙の事と推察致しますが、下記の期限迄にご回答頂きたく存じます。尚、ご回答に付きましては私の主宰するウェブサイト「帝國伝網省」上に本質問状の文面と共に公開させて頂きます。又、期限内にご回答頂けなかった場合には、本質問状の文面と共にご回答頂けなかった旨、公表させて頂きますので、予(あらかじ)めご諒解の程、宜敷(よろしく)お願い致します。

不一

  質問状発送日 平成21年12月4日
  回答期限   平成21年12月14日

平成21年12月4日

世界戦略総合研究所評議員
歴史評論家 竹下義朗
(住所略)

  鳩山総理と胡錦濤・中華人民共和国主席  
鳩山総理と胡錦濤・中華人民共和国主席
平成19年11月23日、東京に於いて、鳩山由紀夫は民主党幹事長としてダライ-ラマ14世に謁見、チベット問題に関心を寄せていたにも関わらず、その2年後の平成21年9月21日、ニューヨークに於いて、日本国内閣総理大臣として胡錦濤国家主席との会談に臨んだ彼は、チベット問題に付いて「(「中国」の)内政の問題と理解している」と発言した。「友愛」を掲げる「ハトポッポ」は平和の象徴である「白い鳩」では無く、どうやら「紅い風見鶏」らしい。
(さて)、回答期限の12月14日、鳩山総理から遂に回答は届かなかった。まあ、回答を期待してはいなかったが、これが「友愛」を掲げる日本国内閣総理大臣・鳩山由紀夫の本性(ほんしょう)なのである。(「1ヶ月ルール」を破ってまで、天皇陛下と習近平(シー=チンピン)中華人民共和国副主席との会談をセットした事が、ある意味、私の公開質問状に対する「回答」でもあろう)

者諸氏に於かれては、改めて心して頂きたい。
「友愛」民主党政権が、「中国」(支那)を増長させ、この日本の自主独立を脅(おびや)かす「悪性腫瘍」である、と言う事を。(了)



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