Reconsideration of the History
264.オバマと朴槿惠を斬る!── 米韓よ、「米軍慰安婦」をどう処理するつもりか? (2014.6.28)

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朴槿惠韓国大統領と握手するオバマ米国大統領
朴槿惠韓国大統領と握手するオバマ米国大統領
平成26(2014)年4月25日から二日間の日程で韓国はソウルを訪問したオバマ米国大統領。朴槿惠(パク=クネ)韓国大統領との首脳会談や終了後の共同記者会見に於いて、米国歴代大統領として初めて「旧日本軍による従軍慰安婦」問題に付いて言及、同盟国たる日本を言挙(ことあ)げたと報道されたが・・・
国のバラク=オバマ大統領が平成26(2014)年4月23日から2泊3日の日本国賓訪問終了後、続いて1泊2日(25〜26日)の日程で韓国はソウルを訪問しました。まあ、日本滞在が3日間、韓国滞在が2日間と言う日程に付いて、常日頃から何でも日本と張り合う韓国では不満の声も聞かれましたが、それは今回の小論には関係の無い事なので割愛します(笑) 扨(さて)、訪韓したオバマ大統領はソウルの青瓦台(チョンワデ;大統領府)に於いて、朴槿惠(パク=クネ)韓国大統領と会談。その際、所謂(いわゆる)「旧日本軍による従軍慰安婦」問題に付いても話題が及び、「日本の同盟国」米国の大統領として、初めてその責任に言及した!としてテレビや新聞でも取り上げられ、話題になったのは皆さんの記憶にも新しい事でしょう。まあ、発言内容が事実であるか否(いな)かは扨置(さてお)き、この事に言及した韓国の有力紙『中央日報(チュンアン-イルボ)』の記事を取り敢えずはご覧頂きましょう。

<韓米首脳会談>オバマ大統領「慰安婦問題は甚だしい人権侵害」

2014年04月26日08時55分
[© 中央日報/中央日報日本語版]

 オバマ米大統領は25日、日本軍慰安婦被害に関し、「この女性たちは戦争中であることを考えても、衝撃的な(shocking)形で性暴力を受けた(violated)」とし「これは甚だしい人権侵害だということを認識するべきだ」と述べた。

 オバマ大統領は青瓦台(チョンワデ、大統領府)で朴槿恵(パク・クネ)大統領と韓米首脳会談を終えた後の共同記者会見で、日本指導者の歴史認識に関する考えを尋ねる質問に対し、このように答えた。また「被害女性の声を聞かなければいけない。彼女たちは尊重される権利がある」とし「どんなことがあったのか正確かつ明確な説明がなければならない」と強調した。「安倍首相と日本人は(韓日両国間の)過去が正直かつ公正に認識されるべきだという点を知っていると考える」とも述べた。

 米国大統領が日本軍慰安婦被害者問題について「甚だしい(terrible and egregious)」という表現を使いながら公開的に批判したのは初めて。

 朴大統領も「韓日米ハーグ首脳会談の前、村山・河野談話など、慰安婦被害者に対して誠意ある解決をするという話があった」とし「安倍首相が約束した部分について誠意を持って実践することが重要だ」と述べた。

 両首脳は「韓米両国は北の核・ミサイル脅威など領域内の変化する安保環境に基づき、現在は2015年12月となっている戦時作戦統制権の転換時期と条件を見直すこともあるという意見で一致した」と明らかにした。当初2012年4月に転換することにした戦時作戦統制権は、李明博(イ・ミョンバク)政権当時に2015年12月に転換時期を一度延期し、朴槿恵政権に入って再延期について議論してきた。再延期の時点は両国国防当局間の議論を経て確定する計画だ。

 朴大統領は「北は4度目の核実験をいつでもできる準備を終えている」とし「北が話す新しい形態の挑発は、新たな強度の国際的な圧力をもたらすだろう」と警告した。オバマ大統領も「核を保有する北を容認しない」と強調した。

 朴大統領は「両国は北の核・ミサイル脅威に対応する力も強化することにした」とし「その努力の一環として、韓国型ミサイル防衛体制を独自のシステムとして発展させていくものの、韓米間の相互運用性を増大させ、効率的な運用が確保されるよう努力する」と明らかにした。

 北朝鮮の核に対する抑止力を確認するため、両首脳は26日に韓米連合軍司令部をともに訪問することにした。

「慰安婦問題 初めて言及−オバマ氏、米韓首脳会談で」(『朝日新聞』4月26日付朝刊13面)
「慰安婦問題 初めて言及−オバマ氏、米韓首脳会談で」
(『朝日新聞』平成26年4月26日付 朝刊13面)
この記事だけ読むと、オバマ大統領が、米国歴代大統領として初めて「旧日本軍による従軍慰安婦」問題に言及し、然(しか)も、同盟国・日本に対して異例とも言える表現を用いた事になります。実際、この米韓首脳会談及び終了後の共同記者会見での「オバマ発言」に付いては、日本でも『朝日新聞』(念の為書いておくが、「あさひ」である。決して「チョンイル」では無い<笑)を筆頭にマスコミが大きく取り上げ、左翼・反日勢力を勢い付かせた訳ですが、この「オバマ発言」自体が捻じ曲げられて報道されたものだったと言ったら皆さんは如何(どう)思われるでしょうか? いや、はっきり言いましょう。「オバマ発言」は韓国及び日本国内の左翼・反日勢力に都合の良い様に捻じ曲げられ、テレビや新聞を通じて、内外に拡散されたのです。それでは、その証拠を此処(ここ)に示しましょう。

オバマ米国大統領発言全文(2014年4月25日 AFP配信)
英語原文 日本語訳
Seoul (AFP) - The Japanese wartime system of sex slavery was a "terrible" violation of human rights and its victims need to be heard, US President Barack Obama said Friday in Seoul. ソウル発(AFP)──米国オバマ大統領は金曜日の夜、ソウルで「日本の戦時下の性奴隷制は酷い人権侵害であり、被害者達の声に耳を傾ける必要があ」と述べた。(註=AFPは記事の冒頭で"system of sex slavery"(性奴隷制)と書いているが、以下のオバマ発言には"sex slavery"(性奴隷達)との表現は一度も登場しない。詰まり、この段階で既に発言が偏向されている事になる)
Stepping into one of the most contentious issues in Northeast Asia, Obama said there needed to be an accounting of the wrongs perpetrated by Japanese Imperial troops before and during World War II when thousands of women were forced into prostitution.  北東アジア最大の論点に付いて、オバマ大統領は「数千人の女性が売春を強要された、第二次世界大戦に於ける大日本帝国軍の過ちは考慮される必要がある」
"This was a terrible, egregious violation of human rights. Those women were violated in ways that even in the midst of war were shocking," he said.  「これは言語道断な酷い人権侵害だ。戦時中に女性達は衝撃的な侵害を受けた」と述べた。
"And they deserve to be heard, they deserve to be respected. And there should be an accurate and clear account of what happened.  「彼女達の声に耳を傾け、尊重すべきであり、何が起きたのか正確な事実を明らかにすべきだ。」
"I think (Japanese) Prime Minister (Shinzo) Abe recognises this and certainly the Japanese people recognise that the past is something that has to be recognised honestly and fairly."  「安倍総理はこれを認識していると思う。日本の人々も正直で公正に過去を認識すべきと考えているだろう」と述べた。
Despite formal apologies issued by the Japanese government, South Korea and other nations accuse Tokyo of failing sufficiently to atone for the "comfort women" pressed to service its troops during its brutal war of expansion.  日本政府によって発せられた公式な謝罪にも関わらず、残忍な戦争中に軍隊に奉仕する事を強いられた"慰安婦達"に対して、充分な償いがされていないと、韓国やその他の民族は東京を非難している。(註=あくまでも"comfort women"(慰安婦達)であり、韓国が主張する"sex slavery"(性奴隷達)とは言っていない)
While many Japanese accept the country's guilt, some senior politicians on the right -- including Abe -- have suggested that the issue is overblown, putting huge pressure on ties between Tokyo and Seoul.  多くの日本人が国家の罪を受け入れると同時に、安倍氏を含む常識的な上位の政治家達が、その問題が誇張され、東京とソウルの間の大きな緊張感を生じさせていると提起した。
Obama, who arrived in South Korea earlier Friday after a three-day state visit to Japan, said the two nations must find a way to move on.  日本に3日間滞在し、金曜日の早々に韓国に到着したオバマ大統領は「日韓両国は進むべき道を探すべきだ」と述べている。
"It is in the interests of both Japan and the Korean people to look forwards as well as backwards and to find ways in which the heartache and the pain of the past can be resolved."  「日韓両国の人々にとって、過去の悲しみや痛みを乗り越える道を模索し、過去よりも未来に目を向ける事が重要だ」
A rising strain of nationalism in both countries over recent months has inflamed the row, with South Korean pressure groups in the United States erecting statues to former comfort women.  米国の韓国人圧力団体が慰安婦像を建立し、ここ数ヶ月の両国の民族感情の高まりが議論の火種となっている。
Washington finds it frustrating that its two major allies in the region are unable to resolve their issues and work together on other pressing issues, such as an increasingly strident China and Pyongyang's nuclear weapons programme.  ワシントンは極東アジアの二つの有力な同盟国が彼らの問題を解決出来ず、更に目障りな中国や平壌(ピョンヤン)の核問題に対して圧力を掛ける事が出来ない為に苛立っている。
Satellite photos taken just two days ago showed additional activity at North Korea's Punggye-ri test site that is "probably related to preparations for a detonation", the US-Korea Institute at Johns Hopkins University said.  「衛星写真が2日前に北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)実験場で、更なる爆発実験と関連性があると思しき動きを確認した」とジョンホプキンス大学の米韓研究所は述べている。
The report echoed recent warnings from South Korea that the North might be planning a nuclear test to coincide with Obama's two-day visit.  報告は北(朝鮮)がオバマ大統領の2日間の訪韓に合わせて核実験を計画していたかも知れないと言う、韓国からの最近の警鐘に反映された。
"As has been said before, the interests today of the Korean and Japanese people so clearly converge," the US president said.  オバマ大統領は「先に述べたように、日韓両国の人々にとって、今重要な事は紛れも無く共通する」と述べた。
"You are both democracies; you both have thriving free markets; you both are cornerstones of a booming economic region. You both are strong allies and friends of the United States.  「両国とも資本主義、民主主義国家であり、地域経済的の発展の要でもあり、米国との強固な同盟国の友人だ。」
"My hope would be that we can honestly resolve some of these past tensions, but also keep an eye on the future."  「私の願いは過去の緊張が正当に解決され、我々が未来に目を向ける事だ。」

バマ大統領は自身の発言の中で、確かに「旧日本軍による従軍慰安婦」に言及しました。これは決して嘘ではありません。然(しか)し、その発言の中でも言葉を慎重に選んでいます。例えば、所謂「従軍慰安婦」は、韓国では日本軍兵士を相手に春を鬻(ひさ)いでいた「売春婦」等では無く、日本軍によって管理された施設・システムの中で、無理矢理に性行為を強要されていた「性奴隷」であったと認識されています。然し、この「従軍慰安婦」=「性奴隷」(sex slave)と言う韓国の「歴史認識」に対し、少なく共、オバマ大統領の発言を見る限り、彼が同意しているとは到底言えません。何故(なぜ)なら、オバマ大統領は「従軍慰安婦」の事を韓国が主張している様な「性奴隷達」(sex slavery)では無く、単に「comfort women」(慰安婦達)としか呼んでいないからです。確かに、発言中には、「これは言語道断な酷い人権侵害だ。戦時中に女性達は衝撃的な侵害を受けた」と述べた段もありましたが、それと同時に「彼女達の声に耳を傾け、尊重すべきであり、何が起きたのか正確な事実を明らかにすべきだ」として、韓国が「歴史認識」として主張する内容に付いて、きちんと客観的な検証が行われる可(べ)きだとの見解を示しており、その観点からすれば、「日本の戦争犯罪」を一方的に糾弾せず、韓国に対しても感情的にならず客観的な証拠を示した上で主張す可きとの見解を示す事で、バランスを取った発言と見る事も出来ます。(ソウルくんだり迄出掛けて行って、韓国側主張を全否定する様な発言をすれば、朴槿惠の面子(めんつ)は丸潰れ。それで無く共、支持率がた落ちの朴政権なのだから、オバマとてトドメを刺す様な事はせず、多少のリップサービスくらいはしただろう) そうは言っても、オバマ大統領の立ち位置は「従軍慰安婦」を巡る日韓両国の対立を高見から見物し、「まあまあ」と上から目線で見下ろしている事に変わりはありません。言い方を変えれば、一種の「優等生」を演じている観があります。然し、そのオバマ、いや米国に対して刃(やいば)を突き付ける様な問題が降って沸いたのです。

「在韓米軍の慰安婦」女性ら122人が賠償提訴

読売新聞 2014年06月27日 07時19分

【ソウル=吉田敏行】朝鮮戦争の休戦後、在韓米軍基地周辺で「米軍慰安婦」として働かされたとして、韓国人女性ら122人が25日、韓国政府を相手取り、原告1人当たり1000万ウォン(約100万円)の国家賠償を求める訴訟をソウル中央地裁に起こした。

 支援団体は、「米軍慰安婦」による国家賠償訴訟は初めてとしている。

 支援団体によると、女性は1957年以降、韓国内の米軍基地周辺で、米兵向けの慰安婦として売春を強要されたとしている。原告女性の多くは、60年代、70年代に働いていた。

 女性らは当時、「基地村女性」と呼ばれた。支援団体は、国が米軍のために特定地域を設置し、慰安婦の勧誘、管理も行っていたとみており、損害賠償とともに、国による真相究明と謝罪を求めている。

「米軍慰安婦」が存在?122人が韓国政府を訴える
日本では「韓国に大ブーメラン」と大盛り上がり


J-CASTニュース 2014年6月26日18時19分

 朝鮮戦争が休戦に近付いた1950年代前半から70年代以降まで韓国版の性奴隷制度「米軍慰安婦」が存在し、国家暴力によって女性の人権を奪われたとして2014年6月25日、米軍慰安婦だったという122人の女性が韓国政府を相手取り、謝罪と賠償を求める訴訟を起こした。

 この米軍慰安婦問題は日本では度々報道されてきたが、韓国では「捏造」との反発が強かった。今回、このニュースは韓国内で大きく報じられたが、衝撃が強すぎたのか、ネットの掲示板などに感想を寄せる人は少なく、妙な静けさが広がっている。

米軍人相手の売春を「愛国」だとして教育

 韓国の大手新聞、中央日報などの報道によれば、韓国の「基地村女性人権連帯」などの女性団体連合がソウル市内で記者会見を開き、韓国政府に対して「基地村」の米軍慰安婦制度の被害者に謝罪し賠償しなければならない、と訴えた。女性団体によると、政府は米国との関係を良くするため女性を性奴隷にしようと考えた。そうした女性には10代の娘もいて、人身売買や拉致によって「基地村」に連行され、暴力によって強制的に米軍人の相手をさせられた。彼女たちは警察に助けを求めたが相手にされず、ただ外貨稼ぎに利用され、米軍人相手に売春することが「愛国」であるといった教育までされた、という内容だ。政府による謝罪と一人当たり日本円で100万円の賠償を求めている。

 この韓国政府による「強制的な管理売春」は日本でも度々問題にされてきた。朝日新聞(02年2月24日付)は、韓国の陸軍本部が1956年に編さんした公文書「後方戦史(人事編)」に「固定式慰安所−特殊慰安隊」の記述があり、4か所、89人の慰安婦が52年だけで20万4560回の慰安を行った、との記述があるという韓国の慶南大客員教授の発言を掲載している。最近では「週刊新潮」(13年11月28日号)は「朴槿惠大統領の父は『米軍慰安婦』管理者だった」という特集を組み、韓国は売春禁止なのだが「基地村」では売春が政府公認されていて、そこで働く女性は拉致されたケースもあり、彼女たちは一人ずつドラム缶に押し込まれ「補給品」名目でトラックに積まれた、などと書いている。

「日本完全勝利!河野談合の呪縛から解き放たれる」

 韓国内では一時期、この関係の軍の資料が閲覧禁止だったという。先の朝日新聞によればこの「米軍慰安婦」は隠ぺい工作が行われたのか「韓国でもほとんど知られていない」。しかし09年には韓国系アメリカ人の元慰安婦が米国で提訴するなどの動きもあり、韓国内外で徐々に知られるようにはなっていた。週刊新潮の記事も韓国では話題になったのだが、朝鮮日報の14年2月17日付けの電子版では、朴正煕元大統領が米軍慰安婦総責任者で米軍から給与をもらっていた、という虚偽の動画がインターネットに流れているとし、大韓民国の歴史を歪曲し辱める行為を根絶するため各種外国のサイトを監視する部署を大統領直属機関に置かなければならない、などと書いている。

 韓国ではこのニュースが大々的に報じられているのだが、インターネット上は妙な静けさが広がっている。各メディアのコメント欄や掲示板を見ても、この件に関するコメントはなかなか見つけることができない。それほど驚き信じられない出来事ということなのか。やっと見つけたコメントは、

「韓国人慰安婦の人権侵害で米国を糾弾しなければならない。米国は韓国に謝罪も賠償も行わない。韓国人慰安婦の人権を守ろう!」

などといったアメリカへの八つ当たりだった。

 一方日本では、「従軍慰安婦」問題で韓国から激しい攻撃を受けているせいなのか「韓国に大ブーメラン!!!」などとはしゃいだ感じのコメントが大量に出て大騒ぎになっている。

「わはは〜これが歴史の真実ってヤツだwアメ、韓国政府、聞いてるか?」
「他人事だとおもしれえなw」
「これは日本完全勝利!これで河野談合の呪縛から解き放たれるのかな」

などといった書き込みが出ている。また、韓国政府が「米軍慰安婦」を否定すれば、日本に対して行っているように、次はアメリカを訴える事になるのではないか、などと考えている人が結構多い。

国(及び米国)は、先の大戦中、朝鮮人女性が自らの意志とは関係無く、日本軍関係者によって拉致され、日本軍の管理する慰安所で、毎日々々、嫌々日本軍兵士に性行為を強要されていた ── とのロジックを構築し、この「旧日本軍による従軍慰安婦」伝説(!)をネタにして、日本の国際社会に於ける地位を貶(おとし)め、日本への強請(ゆす)りたかりを繰り返してきた訳ですが、その当の韓国国内に於いて、在韓米軍兵士相手の韓国人慰安婦が存在、然も彼女達が韓国政府を提訴した訳ですから、その衝撃たるや如何(いか)ばかりだったでしょう。(「米軍慰安婦」の舞台として代表的なのが、ソウル近郊、彼(か)の有名な「ウォーカーヒル」だ) ましてや、その「米軍慰安婦」の総元締めが現大統領・朴槿惠女史の父親で、歴代大統領で最も人気の高い朴正煕(ぼく=せいき/パク=チョンヒ)なのですから、支持率低下に悩む朴槿惠政権の受けた衝撃は図り知れません。然し不思議な事に、この極めて衝撃的な報道に対し、何故か韓国国内には、良い言い方をすれば「至って冷静」、悪い言い方をすれば「不気味な位の静けさ」が漂(ただよ)っているのです。まるで、さも「米軍慰安婦」等と言う存在自体が端(はな)から無かったかの様にスルーされているのです。「旧日本軍による従軍慰安婦」であれ程、日本を厳しく糾弾、慰安婦だったと言う女性達への補償を求めている韓国の事ですから、当然の事乍(なが)ら、「人道的見地」と「道義的責任」に鑑(かんが)みて、韓国政府が「米軍慰安婦」達の要求を呑んで、一人当たり1000万ウォンと言う金額は別としても、責任を以て謝罪と賠償に応じるのでしょうな?と言いたい所ですが、今後の展開は如何に? 又、今回の提訴 ── 「米軍慰安婦」だった女性達が公式に名乗り出た事で、その糾弾の矛先が、韓国政府のみならず、「利用した側」である米国に向けられる可能性も出てきた訳です。詰まり、先の「旧日本軍による従軍慰安婦」に付いて米国歴代大統領として初めて言及したオバマにとっても、今後、この問題の展開次第では非常に旗色が悪くなる ── 他人事と高を括っていた筈が、今度は当事者として向き合わなければならない立場に追い込まれた訳で、のほほんとは構えていられなくなったと言っても過言では無いでしょう。

論、腐っても鯛。低下してきたとは言え、まだまだ世界最強の軍隊を擁する米国に対して「力尽(ちからづ)く」で、此方(こちら)の要求を呑ませるのは不可能な事です。実際、イラクやアフガニスタンで民間人を誤爆等で多数殺傷しているにも関わらず、未だに、その責任を負わない姿勢を見ても分かる事です。然し、「米軍慰安婦」が名乗り出て来た事で、従来の韓国の「口車」に乗って、日本に対し「責任を負え」とは言えなくなった事も事実です。ましてや米国が、敗戦直後の日本政府に対し、韓国に求めたのと同様、進駐軍兵士の性欲を満たす為、真っ先に「米軍慰安婦」の設置を求めた事は公然の秘密ですし、戦後の沖縄で多くの現地女性が米軍兵士にレイプされ、「望まない子供」(混血児)が多数出生(しゅっしょう)した現実を見ても、米国の道義的責任は明らかです。

『河野談話』の当事者、河野洋平・元衆議院議長
『河野談話』の当事者、河野洋平・元官房長官
平成5(1993)年8月4日、河野洋平は宮澤喜一内閣の官房長官として『慰安婦関係調査結果に関する河野内閣官房長官談話』 ── 所謂『河野談話』を発表した。その作成過程で韓国の介入があった事が、20年の時を経て明らかとなり、内容の真実性が大きく揺らいでいる。又、この談話発表により、韓国は金銭的補償も含め、これ以上の対応を日本に求めない事を約束(密約)したと言うが、その後もネチネチと日本を強請(ゆす)ってきた事は論を俟(ま)たない。談話の当事者である河野洋平は安倍内閣の検証チームによる結果発表後も、強気の発言を繰り返しているが、彼が同じく『村山談話』を発表した村山富市・元総理共々、「A級国賊」として断罪される日もそう遠くはあるまい。
もなく戦後70年を迎えんとする今日(こんにち)、悪名高く多くの禍根を残した平成5(1993)年8月4日発表の『慰安婦関係調査結果に関する河野内閣官房長官談話』 ── 所謂『河野談話』に対する日本政府有識者チームの検証結果が、談話発表から20年の時を経て平成24年6月20日公表され、談話作成の過程で、『摺(す)り合わせ』の名の下(もと)に韓国政府による「介入」があった事が明らかとなり、その「真実性」が大きく揺らいだ、いや、よりはっきり言えば「虚構」だった事が白日の下に晒(さら)されました。其処(そこ)に持ってきての6月25日の「米軍慰安婦」達による韓国政府への提訴です。日米韓三国入り乱れての「慰安婦」を巡っての鬩(せめ)ぎ合いと、「戦争犯罪」のレッテルを貼られ続けてきた日本の反攻(リベンジ)。今回、「米軍慰安婦」が起こした訴訟は、正に、その蟻の一穴(いっけつ)になるのでは無いかと私は期待をしています。(了)


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