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徳川将軍 (江戸幕府 1603-1867) |
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徳川家康が江戸を「事実上の首都」に開いた最後の武家政権 ── 通称「江戸幕府」における最高為政者。正式には「征夷大将軍」と言うが、一般的には単に「将軍」と呼ばれる。将軍は、建久3(1192)年、源頼朝が「武門の棟梁」として鎌倉幕府を開いて以来、源氏の血を引く家系のみが就任を許された官職で、かつて室町幕府を開いた足利家も源氏の流れ。しかし、徳川家は表向きは「源氏」と称したが、実際には非源氏だった可能性が大である。慶長8(1603)年、徳川家康が、朝廷より将軍に任ぜられ、江戸に幕府を開いて以来、慶応3(1867)年、時の将軍・徳川慶喜が朝廷に対して、大政奉還と将軍職の辞任を上奏、朝廷がこれを勅許する迄、15代265年間にわたって続いた。徳川将軍は、海外においては、「Tycoon」(タイクーン:大君)と呼ばれ、日本の「国王」あるいは「皇帝」として認知されていた。泰平の世においては、この状態でも何ら問題が無かった。しかし幕末、黒船が来航し、列強諸外国が開国を迫るに及び、天皇(朝廷)と将軍(幕府)と言う二重統治体制の矛盾が露呈、15代将軍・徳川慶喜は、源頼朝以来、700年近く続いてきた武家政権に、自ら終止符を打った。
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