Reconsideration of the History
173.台灣陸軍總司令官、陸自演習ヲ視察ス ── 後戻りは出来ない日台同盟 -其の壱- (2006.9.16)

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2005年の「富士総合火力演習」の模様 成18(2006)年8月24日、静岡県御殿場市の陸上自衛隊東富士演習場に於ける日本最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」を、「観光」目的で来日していた胡鎮埔・台湾陸軍総司令官が視察しました。これに対して支那(中国)がすぐさま反応し、台湾はおろか日本に対しても批判を浴びせました。然(しか)し、支那が台湾を武力で恫喝し続ければし続ける程、日本と対立すれば対立し続ける程、日本と台湾は接近し、そして、支那が最も恐れる日台同盟が実現するのです。と言う訳で、今回は進展こそすれ、決して後退する事無き日台同盟に付いて、私見を述べたいと思います。(写真は、2005年の「富士総合火力演習」の模様)

ずは、『山梨日日新聞』8月25日の記事を引用します。

観光で来日の台湾陸軍総司令官 富士火力演習を視察 中国は抗議

胡鎮埔・台湾陸軍総司令官 陸上自衛隊が24日に東富士演習場(静岡県御殿場市など)で行った国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」を「観光目的」で来日した台湾の胡鎮埔・陸軍総司令官(写真)が、視察したことが分かった。複数の日台関係筋が明らかにした。国交がない日本と台湾の間では、経済や文化面などの交流は活発だが、正式な軍事交流は全く行われていない。今回の視察については中国も事前に把握し、こうした形の「交流」に対し、日本政府に抗議していた。それが無視された格好となり、中国からの反発は必至だ。

演習は隊員教育を主な目的として毎年実施。今年は24、26、27日の3日間を予定しており、24日の演習は、今後の演習に先立つ「予行演習」の形で主に国内外の軍事関係者を招待し公開した。防衛庁は胡氏を公式招待していないが、この日の演習には招待者の知人らも同行が可能で、胡氏はこの枠で視察したとみられる。

胡氏は今年2月に陸軍総司令官に就任。日本は台湾政府の一部の幹部などを除き、観光目的で入国する場合には査証(ビザ)を免除しており、観光客として22日に来日した。

防衛庁によると、演習は、教育訓練部隊「富士教導団」を中心にした隊員約2千人と戦車60両、大砲40門やヘリコプターなどの航空機20機が参加して大量のミサイルや実弾を使用する。26日は「教育訓練」、27日には「一般公開演習」を予定。教育演習と一般公開演習で日本駐在の各国武官らを招待するほか、一般公開演習では見学者を公募し、抽選で3万人を招待している。

台湾高速鉄道 700T型車輌 那は反発し抗議しましたが、胡氏が国(台湾)でどの様な肩書(陸軍総司令官)であろうと、来日目的が「観光」であり、日本が公式に招待していない以上、抑(そもそ)も「視察」に対して、支那が日本に抗議する事自体がお門(かど)違いと言うものです。8月27日には一般の人達も演習を観る事が出来ましたが、一般の人達でさえ観られるものを、あくまでも「観光目的」で来日した胡氏が観てはならないと言う法はありません。
磁気浮上式リニアモーターカー「リニモ」 ころで、今回、胡総司令官は招待状の無い「私的」視察でしたが、私は今後、尖閣諸島や天然ガス田問題で対立している支那を牽制する意味からも、日本は防衛「省」が台湾の軍幹部を積極的に招待し、両国の軍事交流を深めていく可(べ)ものと考えます。台湾に「新幹線」が採用(台湾高速鉄道/平成18年10月開業:上写真は試験運転中の700T型車輌)され、更に台北市中心部と郊外を結ぶ新路線に愛知万博で注目を集めた「リニモ」(磁気浮上式リニアモーターカー:左写真)を導入する事が決定される等、日本の先端技術が台湾に移植されています。その延長として、例えば、海上自衛隊の護衛艦を台湾に輸出し、兵装・運用システムの共通化を図る ── 日台両軍の統合運用 ── 事で、「共通の敵」に対する共同防衛体制を構築する。その端緒として、今回の胡総司令官の視察が活かされる事を期待しています。

り知られていない事ですが、極東「某国」の軍関係者が、東南アジア「某国」に出向(表向きは休職又は退職扱い。帰国後、軍籍復帰)し、自国式の軍事教練を現地軍兵士に対して行っています。(電子機器は極東「某国」製を導入。軍服も極東「某国」のデザインに類似) 又、インドネシアに対して「某国」の巡視船が3隻供与される等、水面下の軍事交流は意外と活発です。その様に考えると、我々が考える以上に、日台両国の軍事交流も進捗しているのかも知れませんが・・・


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